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派遣社員との労働契約②
就業条件の明示
労働者派遣法では決められた就業条件を書面で明示する義務があります。これは、労働基準法にある労働条件の明示と同じで、全ての条件を記憶しておくことは、不可能ですから細かい部分まで書面にして明示することで後々言った、言わない等のトラブルを回避する目的があります。
派遣法では就業条件の明示の内容について細かく規定されています。
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就業条件明示の内容を以下に示します。
≪従事する業務の内容≫
業務内容の確認時に派遣先から説明を受けた内容と違う場合は派遣先に確認が必要です。
≪仕事に従事する事業所の名称及び所在地、組織単位≫
ルートセールスなど外勤者は、拠点の事業所を明示します。
≪就業中の指揮命令者に関する事項≫
これは、派遣雇用契約を締結する時に必ず説明する必要はありませんが、書面で明示すれば実務的には問題ありません。
≪派遣の期間及び就業する日≫
派遣期間については、労働基準法施行規則、有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準で有期労働契約を締結する際には、期間満了時に更新することがあるか否かを明示し、更新することがある場合はその判断基準を示さなければなりません。とされています。あいまいな有期労働契約が締結されることで生じうる期間満了時のトラブルを避けるためです。そして、更新の有無やその基準について変更する場合は、使用者は速やかに労働者にその旨を通知する必要があります。但し一方的な不利益変更は認められません。
【更新に関する明示例】
・自動的に更新する
・更新する場合があり得る
・契約の更新はしない等が考えられます
更新する場合があり得ると明示した場合には、更新する場合又はしない場合の判断基準を明示しなければなりません
【判断基準の明示例】
・契約期間満了時の業務量により判断する
・労働者の勤務成績、態度により判断する
・労働者の能力により判断する
・会社の経営状況により判断する
・従事している業務の進捗状況により判断する
これらのうち労働者の能力態度に関するものについては、判断時の状況だけで決定するのではなく、これまでの働きぶりや成長度合い、改善状況なども考慮して判断すべきものとされています。従って判断の基となる客観的なデータを継続的に記録し残しておく必要があります。
≪就業の開始及び終了の時刻並びに休憩時間≫
所定時間外労働の有無は口頭だけだは無く明示する必要があります。
≪賃金、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期に関する事項≫
実際に派遣社員との間で賃金の明示に関するトラブルは後を絶えませんから慎重に伝えることは勿論のこと、詳細についても間違いの無い様、正確を期してください。初めに口頭で伝えたものが正式な条件ですから、それが後から示された書面と違っていては、問題になるのは当然です。
≪退職に関する事項(解雇の事由を含む)≫
こういう場合に該当したらこのように解雇しますという内容です。
≪派遣労働者からの苦情処理に関する事項≫
苦情の申し出先個人名 派遣先・派遣元の責任者。これは、派遣社員と営業担当者との信頼関係が構築できておらず、派遣社員が相談事を相談出来ずにいる場合でも、派遣社員にとって相談窓口があるという事を示しています。よくあるケースでは、営業担当者に対するクレームで派遣元の別の人間と話がしたい等という場合に派遣元責任者宛てに連絡がはいることがあります。
≪労働者に負担させるべき食費、作業用品その他に関する事項≫
退職時に給与控除する場合はその旨
≪安全及び衛生に関する事項≫
≪派遣労働者の個人単位の期間制限に抵触する最初の日≫
別の項目で詳しく説明いたします。
≪派遣先の事業所単位の期間制限に抵触する最初の日≫
別の項目で詳しく説明いたします。
この様に派遣社員との間で交わされる雇用契約には多くの項目があり、それらは法律によってきめられている内容ばかりです。そして契約書として派遣社員に渡すことになりますから会社によって多少の違いがあっても契約書裏面にも派遣就業に係る事項の記載がされていると思います。 派遣社員の方々は、渡された後に一通り目を通していますから明示した営業担当者本人が明示した内容を知らないわけにはいきません。時には派遣社員から契約書の内容について質問されることもあるでしょう。必ず裏面も読んで内容を理解しておくことが、必要です。
いかがでしょうか。わずかな違いの繰り返しと時間の経過により自然と結果が大きく違ってくるということは、細部の仕組みまでもが重要であることを理解しているか否かの違いです。それは企業価値を左右するとても重要なことです。頭でわかっていても実行に移せるかどうかが重要です。興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。