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派遣社員の解雇③
解雇予告
解雇予告
労働基準法20条(解雇の予告)
第二十条 使用者は、労働者を解雇しようとする場合においては、少くとも三十日前にその予告をしなければならない。三十日前に予告をしない使用者は、三十日分以上の平均賃金を支払わなければならない。但し、天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合又は労働者の責に帰すべき事由に基いて解雇する場合においては、この限りでない。
とされています。解雇する場合には30日以上前に告知しなさいということです。もし30日前に告知できず即日解雇する場合には、平均賃金の30日分以上の手当(解雇予告手当)を支払わなければなりません。
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よく耳にしたことがあるかもしれませんが、間違った理解で一か月前に言えば全て解雇可能という説の根拠になっていると思われるのが上記の労働基準法20条の条文です。解雇権濫用法理がある為、何でもかんでも解雇は出来ないことは説明した通りです。これは、解雇されてしまった労働者が突然収入を絶たれ取り敢えずの生活に困らない様に一か月分の賃金に相当する額を解雇予告手当として雇用主に支払わせ、次の仕事が決まるまでの生活費に充当するなど生活の困窮を緩和できる様にしたものです。考え方としては、平均賃金の1日分を支払う場合は29日前に告知すれば、よいことになります。同様に10日分払う場合には、20日前に告知すればよいということです。
注意点として解雇の予告なしで即日解雇する場合は、解雇の告知と同時に解雇告知手当の全額を支払わなければ解雇できません。
具体例で説明します。
例1)3月31日で解雇する場合、3月1日に告知が必要です。この様に解雇告知日は解雇予告日数には入れません。以下同様です。
例2)3月15日で解雇する場合、2月13日(うるう年ではない場合)に告知が必要です。
例3)3月31日に解雇する場合で3月15日に告知した場合 14日分の解雇予告手当を支払う必要があります。
例4)3月31日で解雇する場合で3月31日に告知したケースでは、解雇の通知と同時に平均賃金の30日分以上の解雇予告手当の支払いが必要となります。
例外として解雇予告が必要とされていないケースがあります。
(日雇い派遣は禁止されていますから該当する方は限られた一部の方だけです。)
(予定を超えて引き続き雇用された場合には予告が必要になってきます)
(予定を超えて引き続き雇用された場合には予告が必要になってきます)
例外として労働基準監督署長の認定を受けることを条件として、解雇予告手当を支払わずに即時解雇が例外的に認められます。
(例) 火災による焼失・地震による倒壊等
(例)盗取、横領、傷害等刑法犯等の行為 採用時の重要判断の基となる資格や経歴を詐称 2週間以上の無断欠勤 度重なる欠勤を注意しても改めない等があげられます
解雇予告期間中に就業した場合は当然給料が発生しますし有給休暇を取得した場合も同様です。
派遣社員から解雇の理由を求められた場合は、派遣会社から証明書を交付します。
(退職時等の証明)
第二十二条 労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
○2 労働者が、第二十条第一項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
○3 前二項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
〇4 使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第一項及び第二項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。
とされています、 派遣会社は、派遣労働者の入退者が多く、雇入れ条件や退職の場面でのトラブルが絶えません。退職届などの書面を提出させることは後のトラブルを回避するうえでも基本となるところです。解雇事案についても書面で記録を残しておくことは、必須です。
いかがでしょうか。わずかな違いの繰り返しと時間の経過により自然と結果が大きく違ってくるということは、細部の仕組みまでもが重要であることを理解しているか否かの違いです。それは企業価値を左右するとても重要なことです。頭でわかっていても実行に移せるかどうかが重要です。興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。