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派遣先から契約解除要請②
契約途中 派遣先都合
契約途中の派遣先都合
派遣契約を解除して欲しいといわれた場合で派遣先による都合によって解除がされる場合についてですが、派遣法等ではどのようになっているのか説明します。
派遣法第二十九条の二では、派遣先は、派遣先の都合による労働者派遣契約の解除に当たっては、派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣元による遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための費用負担、その他の派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置を講じなければならないとされています。
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派遣先が講ずべき措置に関する指針2の6では
労働者派遣契約の解除の事前の申入れ
派遣先に都合で、労働者派遣契約の契約期間が満了する前の解除 を行おうとする場合には、以下の2点を明記しています。
・派遣元事業主の合意を得る。
・相当の猶予期間をもって派遣元事業主に解除の申入れを行うこと。
となっています。
派遣先における就業機会の確保
派遣先の関連会社での就業をあっせんする等により、当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ること。
損害賠償等に係る適切な措置
派遣先の責任で派遣契約が満了する前に派遣契約の解除を行おうとする場合には、派遣労働者の新たな就業機会の確保を図ることとし、派遣先がこれをできないときには、少なくとも派遣契約の解除に伴い派遣元が派遣社員を休業させること等を余儀なくされたことにより生じた損害の賠償を派遣先が行わなければならないこととしています。
例えば、派遣元が派遣労働者を休業させる場合は 休業手当に相当する額以上の額を賠償。 また派遣元がやむを得ない事由により派遣労働者を解雇する場合で本日をもってすぐさま解除された時は、30日分以上の賠償。予告をした日から解雇の日までの期間が30日に満たないときは、その満たない日数の賃金に相当する額以上の額の賠償を行わなければならないこととしています。また、派遣元及び派遣先の双方に責任がある時は、派遣元事業主及び派遣先のそれぞれの責に帰すべき部分の割合についても十分に考慮すること。など、派遣先の都合による解除は、派遣社員の保護を推進する観点から以前と比べ厳しい内容が賠償義務として定められました。
また、労働者派遣契約の解除の理由の明示として派遣先は、労働者派遣契約の契約期間が満了する前に労働者派遣契約の解除を行う場合であって、派遣元事業主から請求があったときは、労働者派遣契約の解除を行う理由を当該派遣元事業主に対し明らかにすること。ともされていますので解除理由は経緯上必ず開示されるべきものですが、派遣先が講ずべき措置に関する指針においても明記されいますので派遣先が此れを拒んだうえ解除することは出来ません。
平成24年10月1日より労働者派遣法改正法が施行された際に労働者派遣法の正式名称が以前の「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」から変わり、新たに「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」に改正されました。これは法律の目的にも、派遣労働者の保護と雇用の安定を図るための法律であることが明記さ、その内容が各所にも反映された形となっています。
「必要なときは、じっくり時間を掛けてでも派遣先の嘘を見破り論理的に粘り強く交渉しなければならないことがあります。」
では、この様な経緯の中で派遣元として注意しておくべきことはどの様なことに成るのでしょうか。
基本的なスタンスで云えば、契約を履行/継続してもらうよう働きかけることに成ります。
その様な対応で一番重要になってくるのは、解除の理由ということになります。派遣契約では当然のこととして派遣先において派遣社員が就労する訳ですから職場の状況が分かりずらいといった事が挙げられます。その様な状況下にあって派遣先の状況に起因する契約解除理由を正確に把握することは非常に困難を極めます。派遣先には上記の様に金銭的な負担義務が課されていますから出来るだけ、その負担を軽減させたいといった思惑が働きます。それは派遣契約の解除理由を派遣先の責めに帰すべき理由としなければ派遣先は責任を逃れることが出来るわけです。つまり真実の解除理由ではなく、例えば派遣社員の勤務態度や能力・意欲の不足や支持に従わないといった服務規律的な違反が繰り返されるといった問題を殊更大げさに誇張して伝えることにより、派遣契約の解除責任を転嫁することも起こらないとは限りません。派遣元としては日頃から派遣社員の働き振りや、派遣先の責任者及び指揮命令者からの派遣社員に対する評価の聴取、派遣先の同じ部署で働く、派遣先の従業員からの評価等、常に把握し派遣元管理台帳に記録しておくことが非常に重要な業務となります。そうすることによって、派遣契約の解除を通知してきた際、派遣先に対して此れまでの経緯に照らし不自然な根拠や辻褄の合わない理由について毅然とした主張や改めて質問をぶつける等の対応が取れることになります。
御参考までに、下記に派遣元としてあらゆる可能性を排除せず、派遣契約の解除に対して確認すべき項目を挙げます。
【スキル不足?】
どの様なスキル?
必須スキル?
事前に説明の在った必要なスキル?
派遣個別契約にある業務内容の範囲内のもの?
他者の平均はどの位?(1w1m、3m、6mで何個/何枚/何件)
改善傾向有無?
悪化傾向有無?
頭打ち横ばい?
廻りの従業員の評価も同じ?
前職までの経験有無による差では?
PC兼用やフリーズ等の機器使用に係る問題の有無?
【教え方】
教える方法は同じ?
教える人は同じ?(一時的な代打では?)
教える所要時間は同じ?
教える方との人間関係良し悪しは?
質問できる体制や環境・雰囲気は?
人員の自然減による多忙等混乱に起因する放置?
指揮命令者のフォロー状況は?
【その他】
新規入社や移動受入れ又は他社派遣開始による減員調整?
業績悪化に起因する実質的途中解除?
ヒューマンスキルの欠如?
ハラスメント被害を申出た報復?
プライベート間の問題に起因?
いかがでしょうか。わずかな違いの繰り返しと時間の経過により自然と結果が大きく違ってくるということは、細部の仕組みまでもが重要であることを理解しているか否かの違いです。それは企業価値を左右するとても重要なことです。頭でわかっていても実行に移せるかどうかが重要です。興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問合せ・ご相談ください。